膝が痛いのはなぜ?効果的なストレッチとトレーニング4選
皆さんは身体に痛い箇所はありますか?痛みの強さによりますが、痛い箇所は一切ありません!という方は、少ないのではないかと感じております。
肩こりが気になる、時々腰痛になる、起きたてや立ち上がる時に膝が痛くなるなどよく耳にします。私も時々腰や膝が痛くなる、痛くなくとも違和感があるということがしばしばございます。
痛みや違和感が2,3日で良くなるのであれば、さほど気にされなくともよいかと思います。ですが、慢性的に痛みや違和感があれば気にしないというのは難しいでしょう。
今回は、膝が痛いという場合の対処法を、ケース別に原因とともにみていきましょう。
膝が痛くなった時、自分はどんな状態なのか、どのようなトレーニングやストレッチを行えば改善するのか。これらを知ることでトレーニングを継続し、よりよい生活を送ることができるでしょう。
この記事を読むとわかること
- 膝の構造
- 膝痛の原因
- 効果的なストレッチ
- 膝痛の予防トレーニング
膝について知ろう
膝の構造
大きく分けると骨、靭帯、軟骨の3つから成ります。
骨は太ももの骨(大腿骨)、すねの骨(脛骨)、お皿(膝蓋骨)の3つの骨からできています。
さらに、太ももの骨とお皿にも関節があります。よって2つの関節があります。
靭帯は4つ(内・外側側副靭帯、前・後十字靭帯)あります。
軟骨は半月板が内側と外側にあります。
骨、靭帯、軟骨を関節包という袋で覆われていて、滑膜、関節液で満たされています。
膝の働き
膝関節は前後一定方向にしか動かない関節です。
太ももの表の筋肉(大腿四頭筋)は伸ばす(伸展)働きがあり、太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)は曲げる働きがあります。
曲げた時に痛い場合は表の筋肉が伸ばされて痛むか、裏側が縮んで痛んでいます。
伸ばした時に痛い場合は裏の筋肉が伸ばされて痛むか、表側が縮んでいたいのか動きと筋肉の関係性を見る必要があります。
よく、膝を回すという表現がありますが、厳密には足首と股関節が動くことで膝が回るように見えるのです。
一定方向にしか動かない膝を無理に回す(捻じる)ことで、靭帯や軟骨が傷つき怪我につながるのです。
膝が痛い主な原因4つ
膝痛の原因は多く、未だに解明できていない痛みが多くあります。
筋肉なのか関節なのか、筋肉ならどの動きで痛むのか、関節なら靭帯が痛いのかつながっている筋肉が痛いのか。様々な原因が考えられますが、その中でも代表的な怪我や原因を4つ見ていきましょう。
膝下:大腿四頭筋腱炎(ジャンパー膝)
膝下の痛みで最も多いと思われるのが大腿四頭筋腱炎、別名ジャンパー膝です。
これは、太ももの大腿四頭筋を、膝のお皿である膝蓋骨(しつがいこつ)に結びつけている腱が炎症を起こしている状態を指します。
太ももの表の筋肉が縮むことで膝のお皿にけん引する力が働きます。
つまり、原因は太ももの表の筋肉が考えられます。
連続した動きで炎症を起こすことが多く、歩きすぎやジョギングなどで発症することもあります。
そんなことで?と感じるかもしれませんが、普段使っていない太ももの表の筋肉は想像より弱っています。
また、弱っているわけではないが固くなっている場合もあります。
スポーツ活動ではバレーボールやバスケットボールなど、ジャンプ動作の多い競技でよく見られます。
ジャンパー膝は膝下に痛みが出ることが多いと言われておりますが、膝上にみられるケースもあるのも知っておきましょう。
膝上:滑液包炎(膝蓋前滑液包炎)
膝上に痛みがある場合で、滑液包炎があります。
滑液包(かつえきほう)は袋のような組織で、骨や筋肉、腱などが摩擦しないよう、衝撃を吸収する役割を果たしています。
身体のあらゆる部分にある滑液包ですが、膝蓋骨のやや上にある膝蓋前滑液包が炎症を起こして いる可能性があります。その状態が膝蓋前滑液包炎(しつがいじょうかつえきほうえん)です。
太ももの表の筋肉(大腿四頭筋)の使い過ぎによって刺激を受け続けることで、炎症を起こすことが多いとされています。
初期の段階では膝上が少し腫れ、触るとブヨブヨした感触があります。
まれに滑液包が細菌感染を起こしていることがあり、その場合は痛みに加えて 赤みや腫れ、熱感が生じます。そういった症状があれば速やか に病院へ行き受診してください。
基本的には膝を使わないようにすることで改善されますが、症状が進行すると膝の水を抜いたり、薬を注射する必要があります。
膝内側:鵞足炎(がそくえん)
膝の内側の痛みで多いと思われるのが鵞足炎です。
膝の曲げ伸ばしや、捻る動作で摩擦して炎症することが多いでしょう。
ランニングやサッカー、水泳などのスポーツで膝の内側に過度な負荷がかかると炎症する場合があります。
また、鵞足炎は変形性膝関節症の合併症として最も多い疾患でもあります
鵞足とは、膝の内側にある「縫工筋」「半腱様筋」「薄筋」という3種類の筋肉と脛の骨をつないでいる部分の事を指します。
こちらも使い過ぎによって痛みが生じます。特に太もも裏側~内側の筋肉が原因です。
使わなければ痛みは和らぎますが、まずはストレッチがオススメです。
それでも改善しない場合は治療を受ける必要があります。
また、足の着き方なのか、股関節の捻じれからきているのか、原因によって対策も変わってきます。
膝のお皿:膝蓋大腿関節症(しつがいだいたいかんせつしょう)
膝蓋大腿関節(しつがいだいたいかんせつ)は、膝のお皿である膝蓋骨と、太ももの骨である大腿骨からなる関節です。これらの骨が接している部分には軟骨があり、膝の曲げ伸ばしがスムーズに行えるようサポートする役割を果たしています。
膝蓋骨が正常な位置からずれたり変形したりすることでこの軟骨がすり減り、その結果、痛みや炎症を起こすのが膝蓋大腿関節症です。
膝のお皿が痛い、膝が全体的に痛い場合は可能性を疑った方がよいでしょう。
特に膝を伸ばした時に痛む場合が多く、太ももの表の筋肉が弱っている可能性があります。
スポーツなどによる衝撃で膝蓋骨が脱臼や亜脱臼を繰り返すこと や、加齢によって膝蓋骨にかかる負担が増加し、骨が変形すること によって起こります。
対策としては膝を安定させるトレーニングが必要です。
膝が痛い時におすすめのストレッチ4選
前述した通り、膝が痛い場合はどちらの動き(曲げる、伸ばす)で痛むのかによって伸ばす筋肉が変わります。
筋肉を伸ばすことによって痛む場合に該当の筋肉をストレッチすると逆効果です。
必ず、動きと筋肉を確認してストレッチを行うようにしましょう。
ここで、自分の筋肉が硬いのか簡単なチェックを紹介します。畳一畳ほどのスペースがあればチェックできるので是非確認してみましょう。
また、このチェックの動き自体がストレッチになります。
チェックとストレッチをセットで考え行ってみましょう。
※不安があれば専門家に診てもらうことをお勧めします。
太もも表(大腿四頭筋)
- 片脚を伸ばして座り、反対の足の膝を曲げて後ろに倒れることができる
- 後ろに倒れた時に膝が浮かない
- 後ろに倒れた時に腰に痛みがでない
3つのうち1つでもチェックが付かない場合は太ももの表の柔軟性が低い可能性があります。
この場合は大腿四頭筋のストレッチを行いましょう。
太もも裏(ハムストリングス)
- 片脚を伸ばして座りつま先に手首が届く
- 手を伸ばした時に膝が曲がらない
- 手を伸ばした時に腰に痛みがでない
3つのうち1つでもチェックが付かない場合は太ももの裏の柔軟性が低い可能性があります。
この場合はハムストリングスのストレッチを行いましょう。
ふくらはぎ(下腿三頭筋)
- 四つ這いの姿勢から膝を伸ばしてお尻を上げる
- 足裏を床につけるようにする
- かかとが床につく
※お腹が邪魔をしてしゃがめない場合は要因が異なるため除きます
かかとが付かない場合はふくらはぎの柔軟性が低い可能性があります。
この場合は下腿三頭筋のストレッチを行いましょう。
※しゃがむ動きは足首、股関節、背中の柔軟性も関係するのでこの限りではありませんが1つの可能性としてご紹介いたします。
お尻(臀筋群)
- 座った状態で片方の膝を垂直に立て、反対の足を立てた膝上に組むことができる
※こちらもお腹が邪魔をして組めない場合は要因が異なるため除きます
脚を組むことができない、組むことはできるが膝が垂直に立たないという方はお尻の柔軟性、股関節が硬い可能性があります。この場合は臀筋群をストレッチしましょう。
しかし、この動きはお尻の柔軟性だけが課題ではないので股関節全体をほぐすことをオススメします。
膝が痛いときにおすすめのトレーニング4選
膝が痛む場合は使い過ぎが原因となることが多いですが、筋力の低下により今までなんともなかった動きが使い過ぎになることがあります。
日頃から動かすことによって膝が痛くならないようにしましょう。
なかなか動く気分にならなかったり、天候など環境のせいで外出したくない日もあるかと思います。
そこで、自宅でもできる簡単なトレーニングを5種類紹介します。
少しでも痛みを改善したい方、膝が痛くならないように予防したい方は是非行ってみましょう。
①スクワット
今回は3種類紹介しいます。できるものからで大丈夫なので取り組んでみましょう。
②アブダクション&アダクション
寝ながらできるトレーニングです。内腿とお尻はセットでトレーニングすると時短にもなります。
③カーフレイズ
ふくらはぎのトレーニングはとっても簡単に行えます。
④パセラセッティング
主にリハビリメニューで提案される種目ですが、痛みがある人には有効です。
特に、膝蓋大腿関節症の人は膝が安定していないのでこの動きを行うと良いでしょう。
まとめ
膝が痛いのに放っておいた人も多いのではないでしょうか?
原因を知ることで”伸ばした方がいい筋肉”、”鍛えた方がいい筋肉”を知ることができたと思います。
紹介したストレッチやトレーニングを行い膝痛を改善し、今後痛くならないように予防することもできるでしょう。
物は試しではありませんが、是非行ってみてください。
ビギナーフィットネスFIRST大森北 本田
膝について知ろう
- 膝は3つの骨、2つの関節、4つの靭帯、2つの軟骨でできている
- 膝は一定方向にしか動かない
膝が痛い主な原因4つ
- ジャンパー膝
- 滑液包炎
- 鵞足炎
- 膝蓋大腿関節症
膝が痛いときにおすすめストレッチ4選
- 太もも表
- 太もも裏
- ふくらはぎ
- お尻
膝が痛いときにおすすめトレーニング4選
- スクワット
- アブダクション&アダクション
- カーフレイズ
- パセラセッティング
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