ヒップヒンジで柔軟性を上げる・動きを変える

自分の身体が柔らかいと思っている人はどれくらい、いるでしょうか?
ほとんどの方が自分は身体が固いと感じているのではないでしょうか。
特に前屈で床を触れない人は自分の身体が固いと感じていると思います。
しかし、前屈で床を触れない原因は単に身体が固いという理由だけではありません。
股関節を引く運動、すなわちヒップヒンジが上手にできていない人が多い場合が考えられます。

今回の記事を読むと…

『立位の体前屈で指が床まで届くようになる』『股関節の使い方が上手くなる』

  • ヒップヒンジの動きがわかる
  • ヒップヒンジができるメリットがわかる
  • ヒップヒンジができるようになる(知識が身につく)
  • 普段の生活やトレーニングの質があがる
  • 柔軟性があがる

必ず役に立つ知識ですので是非最後までお付き合いください。

目次

ヒップヒンジとは?


股関節引く=ヒップヒンジとはどのような動きなのか説明します。
ヒップヒンジとはその名の通り“お尻”を“支点”にする動きのことです。
トレーニングでは股関節を屈曲させ、お腹と太腿を近づけて元に戻る動きを指します。日常の動きではお辞儀が一番近い動きと考えられるでしょう。

ヒップヒンジに関わる関節・筋肉


ヒップヒンジは単関節運動にほぼ近い動きです。股関節を中心にした動きで骨盤が水平移動します。

関係する筋肉は大臀筋、ハムストリングス、下腿三頭筋、脊柱起立筋、腸腰筋。特に大臀筋やハムストリングスの柔軟性が求められることに加え、骨盤の前傾姿勢を保ちながら行います。

ヒップヒンジを伴うトレーニング

ヒップヒンジは様々なトレーニングで使われています。

スクワット、デッドリフト、ブルガリアンスクワットなど重要なトレーニングで必要になる動きです。

これらの動きは股関節だけではなく足関節、膝関節、胸椎、肩甲帯など可動性と安定性が必要になる複雑な動きとなります。
なにか一つに不具合があればその歪みは別の場所に表れ、結果的に動きが悪くなります。その中心となる動きはヒップヒンジではないかと考えられます。理由は以下の2つです。

① 股関節は可動性と安定性の両方を担う重要な関節
② 身体の中心に位置する関節で、上半身と下半身をつなぐ部分


各関節には役割があるという話はビギナーフィットネスFIRSTのブログでも多く紹介しています。
股関節は可動させる関節ではあるが、腰椎は安定させる関節です。
身体の中心に位置するのでどちらも必要になるためヒップヒンジは可動と安定の両方が必要となります。

ヒップヒンジが上手にできるメリットは?

  • 姿勢が良くなる
  • 柔軟性が向上する
  • 腰痛の予防・改善ができる
  • 臀筋群(お尻)を上手に活用できる
  • コンパウンド種目(スクワットやクリーンなど)のパフォーマンスが向上する

柔軟性が上がるだけではなく多くのメリットがあることがわかりますね。

では具体的にどのような理由があるのか見ていきましょう。

姿勢が良くなる


ヒップヒンジが上手にできない理由として股関節が伸展していない姿勢が考えられます。加齢とともに腰が曲がっている姿勢を想像してください。
常にももの付け根が曲がっていて腰や太ももの表に負担がかかっている姿勢です。

筋肉は縮むから伸びます。しかし縮まっている状態が当たり前になってしまうとそこから更に縮めることが難しくなります。ヒップヒンジをすることでももの付け根は縮み、伸ばそうとすることで身体は垂直に近づきます。この動きを繰り返すことで筋肉が正常な長さで維持され姿勢が良くなります。

柔軟性が向上する


ヒップヒンジは股関節を引く動きなのでハムストリングスにストレッチがかかります。
ハムストリングスは大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋と3つの筋肉の総称。

どの筋肉も膝をまたいで着いているので長い筋肉です。

単純にハムストリングスが固いと言ってもお尻に近い方なのか、膝裏に近い方なのか人によって伸びを感じる箇所はバラつきがあります。
自分のどの部分が伸びるのか知り、その箇所を中心に筋膜リリースを行いながらヒップヒンジを続けることでハムストリングスの柔軟性が向上し前屈で床を触ることができるようになるでしょう。

腰痛の予防・改善ができる


ヒップヒンジを上手に行うためには骨盤を前傾させることが必要です。骨盤は基本的には前傾(※ニュートラルポジション)している姿勢が本来の位置です。しかし、生活習慣や筋肉の柔軟性のバランスが崩れることで後傾や前傾が過度になります。骨盤が後傾していると背中が丸まりやすく、骨盤が過度に前傾していると反り腰となり腰痛になりやすいです。
ヒップヒンジを行うことで骨盤が正常な位置で動き、関わる筋肉がトレーニング&ストレッチされるので結果的に腰痛の予防・改善が期待できます。


※本来あるべき骨の配列・姿勢で骨盤では簡単に言うとやや前傾。
正確には横から見た時にASIS(上前腸骨棘)とPSIS(上後腸骨棘)の間が指2本程度。正面で見た時にASISと恥骨結合が床に対して垂直。

臀筋群(お尻)を上手に活用できる


臀筋群は骨盤の前後傾に非常に関わりがあります。ヒップヒンジで骨盤の前後傾を意識して動かせることは、お尻の筋肉を意識して使うことと同じです。ヒップヒンジが上手に行えることで臀筋群を最大伸長、最大収縮させることができればトレーニング効果が上がることでしょう。
また、姿勢が良くなるためには臀筋群を働かせニュートラルポジションを維持することが必要となります。

コンパウンド種目(スクワットやクリーンなど)のパフォーマンスが向上する


スクワットやクリーンなど全身を使うコンパウンド種目には股関節の動きが必ず伴います。ヒップヒンジは股関節を伸長させるため臀筋が働きます。臀筋は大きい筋肉なのでパワーがありますが、大きく、早く動かせることが必要です。そのためヒップヒンジを大きく早く動かすことができれば下半身から上半身にスムーズに力が伝わり、結果パフォーマンスが向上します。

クリーンってどんなトレーニング?という方は下の動画を見てください。

自分の体重の半分で10回できることが目安です。

※私の大学ではこれが授業の単位のテストでした(笑)

ヒップヒンジが上手にできないデメリットは?


メリットと逆。一番のデメリットは姿勢が悪くなり不定愁訴が出てくることが身体にとってはマイナスが大きいでしょう。

  • 姿勢が悪くなる
  • ハムストリングスなど関係する筋肉が固くなる
  • 腰痛になるリスクが高い
  • 臀筋が上手に活用できない
  • コンパウンド種目のパフォーマンスが低下する

ヒップヒンジができるようになるために


ここまで読むとヒップヒンジが大切な動きだということが伝わったかと思います。

では、どうやって上手にできるようにするかお伝えします。

ハムストリングをストレッチする


個人差はありますが一番影響を受ける筋肉がハムストリングスです。理想は床を触れるようになるといいでしょう。

骨盤の前後傾を行う


ヒップヒンジはニュートラルポジションで行います。

四つ這いや立位で骨盤を前後傾させることはニュートラルポジションを保つために必要な動きです。

立位で骨盤を前後傾できれば、あとはやや前傾姿勢を維持するだけでヒップヒンジをスムーズに行えるでしょう。

ヒップヒンジを行う


動作の学習は同じ動作を行うことが一番の近道です。
人間は新しい動きを学習する時は200~300回ほど反復するとパターンとして身体が覚えます。
注意点は、間違って覚えた動きを修正するためにはなんと2000~3000回と覚える時と比較して10倍もの反復回数が必要です。パーソナルトレーナーがフォームにこだわる理由の一つとしては十分な理由です。
なかなか上手にできない場合は、動作に入る前にストレッチや関節の動きを練習することが先決でしょう。そして動作はパーソナルトレーナーなど知識をもった人に見てもらい練習することをお勧めします。

まとめ

いかがでしたか?ヒップヒンジができるようになるといいことが沢山ありましたね。

幼少期は必ずできる動きも大人になるとできなくなることがあります。

昔の自分を取り戻して、身体の機能を良い状態で保てるようにしていきましょう。

ビギナーフィットネスFIRST大森北 本田

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以下、記事まとめ

ヒップヒンジとは
“お尻”を“支点”にする動き

ヒップヒンジに関わる関節、筋肉

  • 股関節
  • 大臀筋
  • ハムストリングス
  • 下腿三頭筋
  • 脊柱起立筋
  • 腸腰筋

ヒップヒンジを伴うトレーニング

  • スクワット
  • デッドリフト
  • ブルガリアンスクワットなど

ヒップヒンジが上手にできるメリットは?

  • 姿勢が良くなる
  • 柔軟性が向上する
  • 腰痛の予防・改善ができる
  • 臀筋群(お尻)を上手に活用できる
  • コンパウンド種目(スクワットやクリーンなど)のパフォーマンスが向上する


ヒップヒンジが上手にできないデメリットは?

  • 姿勢が悪くなる
  • ハムストリングスなど関係する筋肉が固くなる
  • 腰痛になるリスクが高い
  • 臀筋が上手に活用できない
  • コンパウンド種目のパフォーマンスが低下する

ヒップヒンジができるようになるために

  • ハムストリングをストレッチする
  • 骨盤の前後傾を行う
  • ヒップヒンジを行う
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